思いもよらぬ出来事により夫と死別したシングルマザーの恋愛と再婚には、一体どのような問題や悩みがあるのでしょうか。

死別シングルマザーが抱える現状と、割り切れない思いについて詳しくみていきましょう。

死別シングルマザーは再婚しない人が多い?

夫と死別したシングルマザーは、離婚によるシングルマザーと比べると再婚をする率が低いと言われています。

その理由を見てみると、死別シングルマザーが抱える現実が浮き彫りになってきます。

  • 夫や結婚生活が嫌になったわけではないので、気持ちがなかなか動かない。
  • 残された子供の気持ちや、母親としての立場を優先してしまう。
  • 義両親や親戚からどのように思われるかが気になる。
  • 時間的にも精神的にも余裕が持てない。
  • 死別という大きな出来事で受けたショックから立ち直れず、現状維持を保つだけで精一杯になっている。
  • 遺族年金に関する問題。

死別シングルマザーは、夫の死を婚姻関係の終了と結びつけることがありません。だからこそ、愛情を持ったまま突然切り離された心はなかなか切り替えられず、現状維持を保つために必死になるのです。さらに、再婚や事実婚は遺族年金や寡婦年金の受給に大きく影響が出るため、経済的な面から考えて再婚をしないという人もいます。

「夫が亡くなったのに婚姻関係が続いている」という死別シングルマザーには、こうした精神面と経済面の両方で葛藤する現実があります。

死別シングルマザーが恋愛・再婚したいと思うとき

死別シングルマザーが恋愛や再婚を考える時、その多くは不安や苦しさをともなっています。突然夫と死別する経験をしたシングルマザーは、将来に対する準備が何も整っていません。思いもよらない夫との別れに立ち直る余裕もないまま、子供を守るために必死に生きていかなければならないのです。そして、そんな毎日の中で過ごすうちに、次のような思いを抱くようになっていきます。

  • 自分の感情を押し殺して仕事や育児を優先することに疲れた。
  • 誰にも甘えることが出来ず、頼れる誰かに寄り添って欲しいと思うようになった。
  • 余裕のある暮らしが出来ず、将来が不安になった。
  • 子供が自立した後、一人で暮らしていくことに寂しさを覚えた。
  • 病気や怪我で動けなくなったときに恐怖を感じた。

亡くなった夫への想いと子供を守りたいという気持ちを持つ反面、現実の世界では甘えることも頼ることも出来ない死別によるシングルマザーは、多くのジレンマや寂しさを抱えています。無我夢中で子供を育ててふと我が身を振り返ったとき、一人でいることへの不安が芽生えるのです。

勿論、自分が楽になりたいだけで恋愛や再婚を考えるわけではありません。しかし、一人で頑張り続けることは並大抵のことではなく、「誰かに寄り添って欲しい」と思う気持ちが強くなります。そして、それは決して悪いことではなく、むしろ一人の女性として自然な感情の流れだと言えるでしょう。

死別シングルマザーが抱える恋愛・再婚への不安や悩み

では、死別シングルマザーが抱える恋愛・再婚への不安や悩みには、一体どのようなものがあるのでしょうか。具体的な項目に分けてみてみましょう。

子供への対応

死別シングルマザーが一番最初に気にかけるのは、「子供がどう思うか」「子供に反対されないかどうか」です。特に思春期を迎えた子供の場合、母親が女性として父親以外の人とお付き合いをすることに嫌悪感を持ったり、ようやく落ち着いてきた生活が崩れるように感じてしまいます。

子供のことを考慮した上での決断であったとしても、それが元でまた子供を不安定な気持ちにさせるのは、死別シングルマザーにとって大きな不安と悩みの種になりかねません。

義両親やその親族・周囲の人への対応

死別シングルマザーにとって、亡き夫の義両親や親族・周囲の人との関係は、大変デリケートで難しい問題です。婚姻した段階で戸籍上は義実家に入っているので、お付き合いが切れるということは絶対にないですし、孫である子供がいればなおさら、再婚に対してどのように思われるかと不安に思ってしまいます。

夫の供養の問題・義両親の介護の問題・子供の親権や戸籍の問題など解決しなければならないことも多く、恋愛や再婚に対してマイナス面しか見えなくて悩んでしまう死別シングルマザーも少なくありません。

恋愛・再婚相手への対応

死別シングルマザーは、新しいパートナーと亡き夫への愛情を合わせ持っています。それゆえに、パートナーに対してどのように対応すれば良いのか、悩む人もすくなくありません。再婚しても夫の法要やお墓参りといった仏事は避けることが出来ませんし、子供に対して亡くなった実の父親を一切排除した生活を強要することも出来ないからです。

お付き合いや再婚を考えている相手が、亡くなった夫への気持ちをそのまま受け入れてくれるかどうか、どうしたら相手が嫌な気持ちにならないか、死別シングルマザーは常に不安
を抱えている状態です。

お付き合いを始める時期や再婚のタイミングについて

夫以外の男性との恋愛や再婚は、死別シングルマザーにとってタイミングを図るのがとても難しい悩みです。夫が亡くなって初盆や一回忌も迎えないうちから恋愛や再婚の話が出ると、周囲の人から白い目で見られるのではと不安に思ってしまいますし、かといって何年も相手を待たせてしまっては、恋愛も再婚も出来ないまま一人で老後を迎える可能性もあります。

そのため、亡くなった夫の三回忌を目安にお付き合いを始めたり、子供が独立するのを待ってからなど、周囲の人達へ配慮をしながらタイミングを図る人も少なくありません。そして、そのタイミングに対して相手の男性から了承を得ることも不可欠となります。

死別シングルマザー再婚の注意点

死別シングルマザーが再婚するときには、いくつか注意をしなければならないことがあります。それぞれの内容について、詳しくみていきましょう。

死別後の再婚禁止期間について

民法第733条では、女性の再婚禁止期間について詳細に定められています。これを死別シングルマザーに照らし合わせると、以下のようになります。

  1. 夫が亡くなってから100日間が経過していれば再婚可能。
  2. 夫と死別した日を境にしてその前後の期間に妊娠していないことがはっきりしていれば、死別したあと期間を空けずに再婚可能。
  3. 夫の子供を妊娠していることがわかっており、死別後に出産をした後であれば、期間を空けずに再婚可能。

つまり、法律上は100日間経過した後、もしくは妊娠をしていないことがはっきりしている場合か夫の子を出産した後であれば、再婚しても良いということになります。

しかし法律上はそう定められていたとしても、夫が亡くなったあとすぐに恋愛や再婚をしてしまうと、義両親や親兄弟といった親戚や周囲の人からあらぬ疑いを掛けられたり、あまり良い印象を持たれません。三回忌や七回忌といった法事の節目を1つの目安にしながら、時間を掛けてタイミングを定めることが大切です。

再婚による遺族年金受給の資格停止

夫が死亡した場合、その妻と子供は遺族年金を受給することが出来ます。加入していた保険や給料・年金を納めた期間によってその金額には違いがありますが、一月に10万円前後の年金が受給できると、死別シングルマザーの家計としては大変有難い制度です。

しかし、この制度は「死別した夫との婚姻関係を解消していない」ことが条件となりますので、もし死別シングルマザーが亡き夫との婚姻関係を解消して別の人と再婚した場合、遺族年金を受給する資格がなくなってしまいます。また、たとえ再婚をしていなかったとしても、事実婚でお付き合いをしている人と同居をしているにも、遺族年金の受給が停止されることもあるので注意が必要です。

まとめ

死別シングルマザーの恋愛・再婚は、相手を思う気持ちだけでは割り切れない様々な事情が関係してきます。

妻として、母として、そして一人の女性として、様々な方面から良い恋愛・再婚となるよう模索していきましょう。